二作目となる小説「わたしたちと森の物語」(FOREST AND OUR STORY)をリリースします。

 作品は処女作である「わたしとあなたの物語」(ME AND YOUR STORY)の並行世界という位置付けで、幼少期特有の残酷な”奪う、奪われる”という関係性を経て、贖罪を為そうとする男女の物語です。何らかの要因によって心の一部が欠損した場合、僕たちは何を為すべきでしょうか。無意識の領域に踏み込み、その先にある世界をイメージして描きました。

 2017年11月末より順次取り扱い店舗(こちからご確認ください)にて販売される予定です。

 

“わたしはあなたの喉をつぶして、あなたはわたしの耳を焼く。そうしたら足りないもの同志、ずっと一緒にいれた。あなたの代わりにわたしは世界中の美しい言葉を話して、あなたはわたしの為に世界中の美しい音を聴く。とてもシンプルなことだった。でも、あなたは一方的に奪って、何も失わず逃げた”
(「森」より抜粋)

“聡明な女性には必ず秘密の部屋がひとつはある。誰にも入れない。でも、本当に心を許した男性にだけ、部屋の鍵が渡される。お父さんも鍵を渡されたの、と僕は尋ねてみた。もちろん、とかれは言った。お母さんにも秘密の部屋があってね、いまでも私は鍵を預かっている。ジェリーフィッシュはそこで発見したんだよ。その部屋は夜になると重さのない月の光が落ちてね、その光が絵にかかると、生命を帯びてゆっくりとこの世界に抜け出してくる。半信半疑だった僕は父を見据えて、どこにそんな部屋があるの、と尋ねた。かれは目の覚めるような口笛を短く吹いた。ひゅう。”
(「森」より抜粋)

 

小説「わたしたちと森の物語」
2017年11月30日 ─ 初版発行
著者 ─ 佐々木新
アートディクレション ─ 河田孝志
グラフィックデザイン ─ 佐々木新
ドローイング ─ 黒澤潔
製版 ─ 株式会社 明祥
印刷 ─ 株式会社 明祥
製本 ─ 有限会社 篠原紙工